中小企業様のお悩みの1つに優秀な人材の確保や定着が挙げられるのではないでしょうか。「応募者が集まりにくい」「採用通知を出しても応募者から断られてしまう」「せっかく採用した社員が給与や諸条件を理由に転職してしまう」という課題にお悩みかもしれません。
これらの課題には「応募者や従業員にとって魅力的な福利厚生の面白い取組み」を行うことが効果的な打ち手になる場合があります。面白い福利厚生の面白い取組みを取り入れ他の中小企業との差別化を図ることで応募者数が増え、より良い人材を確保できたり、離職防止に繋がる可能性があります。
また、従業員の定着率向上やモチベーションアップで生産性向上に繋がる可能性もあります。
この記事では、中小企業が独自の福利厚生を実施するメリットや他社事例、面白い取組みアイデアまでを幅広く紹介します。魅力のある福利厚生の取組みを取り入れ、自社の人事課題解決の一助となれればと思います。

最近、慣れてきたと思った中堅社員が辞めていくんです…。今月でもう2人目ですよ。



それは困ったナ。現場でも人手が不足してしまうだろウ。



そうなんですよ、どうにか社員の離職防止策を考えろっていわてれいるんですけど、なかなかいいアイデアが思いつかなくて…



福利厚生制度を面白くしてみるのはどうだろウ。



福利厚生って大手企業で手厚くできるイメージですけど、うちは中小企業ですし、なかなかそこまで手が回りませんよ。



いや、ベンチャー企業や中小企業でもその企業らしい福利厚生制度を実施して上手くやっているところもあるんダ。今回は、そんな企業の事例と、アイデアが無い場合にも取り組みやすくてユニークな施策を紹介していくゾ。
福利厚生とは?
そもそも「福利厚生」とは、なんでしょうか?
難い言い方をすると「福利厚生制度」とは、企業(雇用主)が従業員(労働者やその家族を含む)に給与や賞与といった基本的な労働対価に加えて提供する報酬を指します。福利厚生制度の種類は多岐にわたり、基本的にどのような福利厚生を提供するかは企業によって異なり、独自の施策などユニークな制度を設けている企業も増えてきています。
福利厚生制度は従業員の生活の安定・向上やワークライフバランスをサポートするものが多く、充実化を図ることで従業員の満足度や愛社精神(エンゲージメント)などの向上が期待できます。また、従業員の多様な働き方や健康経営に取り組むことで、企業イメージの向上にも繋がり優秀な人材確保や企業のブランド力の向上・知名度の向上にも効果が派生することがあります。
福利厚生費は「法定福利費」と「法定外福利費」に分けられる!
福利厚生制度を充実させるとメリットは大きい一方、費用面での負担も気になるポイントとなると思います。そこで、この記事では、福利厚生の費用面での分類にも触れていきます。
一言に「福利厚生」と言っても「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」に分類でき、損金計上可能かなどの判断も分かれます。取組みを実施するのにも重要な観点となりますので、以下では、2つの違いについて解説していきます。
法定福利費とは
「法定福利厚生」は、会社が従業員に対して行う利益供与のうち法律で定められている福利厚生を指します。法律で定められているものなので、法定福利厚生を実施しないと法律違反とみなされ、処罰されてしまう可能性もあります。主な「法定福利厚生」は、以下の6つです。
●健康保険
●厚生年金保険
●雇用保険
●労災保険
●介護保険
●子ども・子育て拠出金(旧:児童手当拠出金)
法定外福利費とは
「法定外福利厚生」は、企業が従業員に対して行う利益の供与のうち法律で規定されていない部分のことをいい、義務ではないため適用される範囲に法的な基準はありません。
よって、法定外福利厚生は企業が独自性を発揮できる福利厚生制度と言えます。「法定福利厚生」が法律で規定されている6種類に限定されている一方で「法定外福利厚生」は、金銭的な補助にとどまらず従業員の「働きやすさ」を向上させるために実施する取組といえるでしょう。
「法定外福利厚生」の種類は様々で、代表的なものは住宅手当(家賃補助)や通勤手当、家族手当支給、健康診断補助などが挙げられます。
その他にも結婚祝い金・出産祝い金の支給や社員食堂、託児施設の利用、社員旅行などを制度として実施している企業もあります。
「法定外福利厚生」を大きく分けると、以下の10種類に分類できます。
①休暇(余暇)・レクリエーション制度
②通勤・住宅補助
③健康・医療補助
④食事に関するもの
⑤慶弔・見舞いに関するもの
⑥育児・介護
⑦財産形成・退職後支援
⑧働き方・職場環境
⑨能力向上・スキルアップ
⑩その他
中小企業独自で福利厚生をユニーク(面白い取組み)にするなら法定外福利厚生!
「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」2種類の福利厚生があると解説しましたが、今回のテーマで扱う企業への応募や従業員にとっての魅力を向上させるためには、「法定外福利厚生」を充実させることが重要になると言えます。従業員ニーズに合わせたり、会社の本業や理念に合わせた取組みを取り入れることにより、対外的にも企業のカラーをアピールすることができます。
中小企業必見!「法定外福利厚生」も条件を充たせば損金計上が可能
法定外福利厚生を実施するための費用(法定外福利費)の場合、どのような内容でも経費として計上できるわけではありませんが条件を充たせば損金算入が可能となります。
詳細は、専門家に相談する必要がありますが、企画の段階では以下3つのポイントをクリアしているかをまずは考えましょう。


●給与ではないこと(金銭での支払ではないこと)
現金や金券の支給は、福利厚生費として計上できないので注意が必要です。
例えば健康診断の費用を企業で福利厚生として負担したい場合、企業から直接医療機関に支払うようにすると福利厚生費として計上できますが、従業員に健康診断費用として現金支給をした場合では、福利厚生費に計上することができなくなります。
この場合、給与として源泉所得税の徴収の対象となる点で注意が必要となります。
このように費用の支払い方法などにも留意する必要があるでしょう。
●対象が全従業員であること
全従業員を対象とし、平等に福利厚生を受けられる仕組みになっていることがポイントとなります。
例えば、一部の人だけに支給されるような仕組みになっているケースなどでは、不平等な取組みとみなされる認められなくなってしまいます。
●金額が社会通念上、妥当な額であること
支出する金額の(社会通念上)妥当性もポイントとなります。
例えば、社員向けの忘年会などに何百万もの費用を支出したり、豪華過ぎる会とみなされた場合は福利厚生費としてではなく交際費として処理をしなければならなくなります。また、額だけでなく頻繁に開催され過ぎているなど総合的に見て妥当性が認められない金額が使用されている場合でも福利厚生費としては認められないので注意が必要です。
中小企業が福利厚生で面白い取組みを取り入れるメリット
採用活動で中小企業のアピールポイントとなる
2024年度版の「中小企業白書」によると採用面接で自社から伝えている内容として順に「給与体系」(82.7%)、「休暇制度・福利厚生」(81.6%)、「期待する専門性・役割」(69.6%)が挙げられました。要するに、休暇制度や福利厚生制度の充実は、中小企業が応募者にアピールできるポイントの1つとして給与に次いで重要な項目とも言えるのです。
逆に言うと、給与や業務上の役割が近い他企業へ複数応募している求職者がいた場合、他社と福利厚生などの点で大きく差が付けられていれば、応募者の入社の意思を高める要素にもなりえるという事です。
採用活動では、採用費用に目を奪われがちですが福利厚生を充実させることにより優秀な人材を惹きつけより効果を発揮することができるかもしれません。
参考: 2024年版 中小企業白書


従業員の離職を防止できる
従業員の離職を防ぐ方法の1つとして福利厚生の充実も重要な要素と言えます。
自社の従業員の傾向を分析し従業員ニーズを把握して、取組みを検討していきましょう。
例えば、従業員に子育て世代や介護している方が多い場合は、フレックスタイム制やリモートワークOKの制度などを検討すると働きやすくなる可能性があります。また、デスクワークの従業員が多い職場では、健康促進の取組みなどを取り入れると従業員の健康促進が活性化され従業員満足度が向上する可能性が高まります。
このように福利厚生を充実させることで、従業員は「ここで働き続けたい」と感じる機会や企業への感謝・愛着が生まれ離職防止に役立つ可能性が高まります。
従業員のモチベーションアップで生産性向上に繋がる
中小企業での離職理由として「給与や待遇に対する不満」が挙げられます。
そのような従業員の不満を解消し離職防止策として有効なのが福利厚生を充実させることと言えます。福利厚生を実施するには費用がかかるので最低限のもので抑えたいと考える経営者さまも多いかと思いますが、せっかく自社での経験を積み成長した従業員が退職してしまうと技術の流出や人材不足など費用以上のロスになってしまうこともあるので、費用をかけてでも施策を検討することが価値があると言えるかもしれません。
法定外福利厚生で面白い取組みを実施している中小企業事例
上述したように、中小企業が独自の福利厚生を実施すると従業員の満足度向上やモチベーションの向上、離職防止に繋がるので重要な要素です。
ここでは、法定外福利厚生の企業事例を先ほど挙げた10種類(①休暇(余暇)・レクリエーション制度、②通勤・住宅補助、③健康・医療補助、④食事に関するもの、⑤慶弔・見舞いに関するもの、⑥育児・介護、⑦財産形成・退職後支援、⑧働き方・職場環境、⑨能力向上・スキルアップ、⑩その他)にカテゴライズした上で紹介します。
①「休暇(余暇)・レクリエーション制度」の面白い取組み
会社独自のユニークな休暇制度を導入すると従業員の心身の健康を保つことは勿論、コンセプトに沿った事情での有給取得の後ろめたさなどを是正するの効果が期待できます。社員からあがった声や社長の好みやアイデアで生まれたものまで様々な休暇があるので、ユニークな制度を紹介していきます。
■推しメン休暇制度(株式会社ジークレスト)
スマートフォンゲームアプリ開発を行っている株式会社ジークレストでは、「推しメン休暇制度」を設けています。この制度は、アニメ・漫画・ゲームのキャラクター、タレントや声優など自分が応援しているキャラクターの記念日に休暇を取得できるものです。1年に1回取得でき、お祝いを支援する活動費(上限5,000円まで)を会社が負担します。社員の提案から導入された制度ですが、社員が様々な作品に触れインプットに役立てて欲しいという企業側の想いもある制度のようです。本業のゲーム開発を後押しでき、社員のニーズも満たすことのできる一石二鳥の制度と言えるかもしれません。
参考:株式会社ジークレストHP
■スポーツボランティア休暇(GMOペパボ株式会社)
個人向けインターネットサービスを多数展開しているGMOインターネットグループのGMOペパボでは、スポーツボランティアに参加する社員を対象に休暇を付与する「スポーツボランティア休暇制度」を導入しています。
制度の内容としては、国際スポーツ大会のボランティアに参加する従業員に研修日などを含む活動日に特別休暇を付与するもので、スポーツに関する活動支援を通じてスポーツ界の発展に貢献するSDGs的な目的も含まれているようです。
■二日酔い休暇制度(トラストリング株式会社)
お酒好きの同社の社長のアイデアで生まれた「二日酔い休暇制度」。この制度は、飲み過ぎた翌日は年に2回まで午前休暇が取得できるというもの。朝まで飲み明かしたい日や普段滅多にお話ができない方と飲む機会があった際に翌日を気にせずに楽しく朝まで飲めるようにとのことで作られた制度です。飲み会で二日酔いになって仕事をするよりも、午後からスッキリした頭で効率的に仕事に取り組むことができるという効果も期待しているとのこと。過去にはこの制度についてテレビで取材を受けたこともあるという個性的な制度のようです。
②「通勤・住宅補助」の面白い取組み
従業員の生活費の中でも大きな割合を占める住宅費。ここでは、通勤や住宅補助に関するユニークな制度をご紹介します。
ベーシックな部分として、従業員が注目するポイントとなりえるので、どのような制度があるか見ていきましょう。


■鎌倉職住近接手当(株式会社カヤック)
各種コンテンツ制作等を手掛ける株式会社カヤックでは、会社所在地の「鎌倉」にまつわる福利厚生制度の1つに「鎌倉職住近接手当」があります。
この制度は、会社に近い鎌倉や逗子など(開発拠点周辺)に住む社員を対象に家賃の一部を補助するものです。同社では様々な鎌倉に関するプロジェクトを手掛けており、鎌倉に住み鎌倉で働くことを推奨したいという想いのある制度のようです。
鎌倉周辺に住み出社できるようにオフィスには従業員専用の駐輪場も設置しているとのこと。
参考:株式会社カヤックHP
■家賃補助制度 2駅ルール・どこでもルール(株式会社サイバーエージェント)
こちらの制度は、満員電車などの通勤ストレスから社員が解放されるようにとの想いからスタートした制度です。
勤務先のオフィス最寄駅から各線2駅圏内に住んでいる正社員に月3万円補助が出ます。
更に、勤続年数が5年を経過すると「2駅圏内」の条件が無くなり、場所を問わずに月5万円の家賃補助が支給される「どこでもルール」が適用されるようになります(正社員が対象)。
■早起きは1,000円の得(パスクリエイト株式会社)
オウンドメディアやヘルスケア事業などを運営するパスクリエイト株式会社では、早く出社すると補助が出る「早起きは1,000円の得」という制度があります。
この制度は、始業時間の1時間以上前に出社すると500円/日、2時間以上前に出社すると1000円/日が会社から支給される制度です。
早起きで生活リズムを整える事や始業時間前の朝の時間を活用して業務効率をあげられるというようなメリットを狙って設けられた制度のようです。
早起きをして業務効率を上げるだけでなく、毎日コツコツ早起きをして出社することで補助が受けられるのは嬉しい制度ですね。
③健康・医療補助の面白い取組み
従業員の医療や健康に関する取組を福利厚生として取り入れる企業もあります。
ここでもそれぞれユニークな取組みを紹介するので、貴社でも企画できないかなどヒントにしてみてください。
■無限バナナ(株式会社コロプラ)
オンラインゲームの開発・運営事業を行う株式会社コロプラでは、社員の健康配慮を考慮して、オフィスに出社した社員がいつでも自由にバナナを食べる事ができる「無限バナナ」という制度があります。制度の名前もユニークで可愛いこの制度は、小腹が空いた際にスナック菓子や菓子パンではなく、ヘルシーで栄養価の高いバナナを食べることで社員の健康維持をサポートする狙いがあるそうです。
■リフレッシュルーム「“RAPPORT(ら・ぽーる)”」(株式会社ポーラ)
化粧品・エステティックを提供する株式会社ポーラでは、社員向けに「RAPPORT(ら・ぽーる)」というリフレッシュルームを設置しています。
あん摩マッサージ指圧師の国家資格を取得したヘルスキーパー(企業内理療師)が施術で、社員の疲労改善、健康管理を期待して設置されているもののようです。
根本的な疲労回復により、業務効率の向上やイキイキと働くことのできる職場の環境づくりを目的に設置された制度です。
さらに、同社では健康増進の取組みとして社員が自宅でできる簡単なストレッチ方を集めた動画の全社配信を行うなどの取組みもあります。
参考:株式会社ポーラ採用サイト
■健康維持促進手当(サイブリッジ株式会社)
Webサイト制作事業を行うサイブリッジ株式会社では、一定の条件を充たした非喫煙者の社員に対して月額5,000円を支給する「健康維持促進手当」制度があります。
この制度は、社会的に禁煙の機運が高まっていることを受け社員の健康維持を目的として設立されたものです。
前30日間の喫煙実績が無いことや勤務時以外(自宅や外出先でも禁煙とする)などキッチリ禁煙している条件を充たしていることが条件となります。
この制度があると、禁煙の励みになったり喫煙を開始しようという気持ちがセーブされるかもしれません。
④「食事に関するもの」の面白い取組み


食事に関する補助も取り入れやすい福利厚生の1つです。
お食事や飲み物を囲む制度を充実させることで、社員同士のコミュニケーションが活性化したり、業界研究に繋がったりと様々な効果が得られるよう工夫されているものが多いので、貴社でも導入を検討してみると良いでしょう。
■100円ランチ(株式会社アプティ)
自動車業界に特化した人材サービスを提供する株式会社アプティには「100円ランチ」制度があります。
この制度は、会社がランチ費用の一部を負担して、従業員が100円で栄養満点のお弁当を食べられるというもの。お弁当だけでなく、フリードリンクやお菓子食べ放題などの用意もあります。
腹が減っては戦が出来ぬとは言いますが、会社の補助のおかげで「お腹が減って力が出ない…」という事態を回避でき、仕事にエネルギーを注ぐことができそうですね。
参考:株式会社アプティHP
■カレーファミリー制度(株式会社ウエディングパーク)
結婚情報関連サイトの運営や結婚に関するDX支援などを展開するブライダル企業の株式会社ウエディングパークには、「カレーファミリー制度」という食事補助制度があります。
この制度は、社内制度創出コンテストで新入社員から出たアイデアで部署横断の3人が集まりカレーを食べる会を開催する新入社員のメンター制度です。
「親担当」、「兄姉担当」など集まるメンバーを家族に見立てて家族をつくり一緒にカレーを食べながらコミュニケーションを取るという特徴があります。
この制度をきっかけに社内に話のできる先輩が増えれば、心強く感じることでしょう。新入社員の早期離職も減らすことができそうな制度ですね。
■フリーアルコール(株式会社SmartHR)
クラウド人事労務ソフトの開発などを行う株式会社SmartHRには、「フリーアルコール(カシュ)」制度があります。
退勤後(18:00〜)の時間帯に仕事が終わった人は、オフィス冷蔵庫のドリンク(アルコール、ソフトドリンクなど)を飲むことができる制度です。
缶を開ける時の音(「カシュッ」)にちなんで、社内では「カシュ」と呼ばれているそう。雇用形態の制限なく飲むことができ、コミュニケーションの活性化に役立っている制度のようです。
■おソトメン(グルメエックス株式会社)
ラーメン通販サイトの運営や飲食店の配膳ロボットなどの販売を行うグルメエックス株式会社には「おソトメン」という制度があります。
この制度は、ラーメン店にてラーメンを食べ、写真や美味しかった点、店内の雰囲気、接客などに関するコメントを添えて社内全体に共有することで、ラーメンの飲食費に応じて月額最大3,000円の手当を受け取ることができるもの。
ラーメンの話題をきっかけとした社内コミュニケーションの活性化や社員のラーメン業界に関する知見を広げるなどの狙いがあるそうです。
同社では、他にも自社サイト(宅麺.com)でのラーメン購入を補助する制度「じタクメン」があり、社員のラーメンを食べる活動“ラー活”の機会を支援しています。
このように、自社サービスや業界研究に役立てられる会社のカラーが出せる制度で補助をしながら社員の理解を深める施策も面白いですね。
⑤「慶弔・見舞いに関するもの」の面白い取組み
忌引き休暇・弔慰金などの制度がある会社は多いですが、こちらでご紹介するのは、特別なお祝いごとやお見舞いに関する福利厚生制度です。企業から社員やその家族に向けたの記念日やお見舞いなど心遣いが伝わり、社員のモチベーションアップなどに繋がる可能性もあるので、どのような取組みがあるか見ていきましょう。


■GOラン!(ユナイテッド株式会社)
教育や人材マッチングサービスを手掛けるユナイテッド株式会社では、社員の誕生月にお祝いのランチ会を開く「GOラン!」という制度があります。
この制度は、毎月、担当メンバーが主催者となり、誕生月の社員を豪華なバースデーランチに招待するというもの。
普段のランチでは食べないようなコースを食べれる点も魅力ですが、普段の業務で接することの少ない誕生日が近い社員とランチができる点も魅力の1つのようで、社内のコミュニケーション活性化にも繋がる制度と言えます。
■HAPPY RICE-DAY(株式会社アドウェイズ)
インターネットやスマートフォン向け広告事業を行う株式会社アドウェイズでは、「HAPPY RICE-DAY」という制度があります。この制度は、社員の家族(配偶者や子ども)の誕生日に、5㎏のお米が送られるもの。お米とともに社員が働いている様子を撮影した写真とメッセージカードが贈られます。
社員のみならずその家族の誕生日に贈り物が届く点でなかなかユニークな制度と言えます。
■アニバーサリー手当(株式会社リクルート)
総合人材サービスを展開する株式会社リクルートでは、4月1日時点で在籍1年以上の社員を対象にした「アニバーサリー手当」という制度があります。
この制度は、年次有給休暇を連続で4日以上取得すると5万円が支給されるというもの。1年で1回、毎年度利用ができます。
有給で連休が取れるのに加えてお金も支給されるので、社員にとってはダブルで嬉しい制度です。社員の有給取得率を上げたいとお考えの企業様にとっては効果的な制度でしょう。
参考:株式会社リクルートHP
⑥「育児・介護」の面白い取組み
ここでは、育児や介護など従業員とその家族のライフプランを支援する制度をご紹介します。
育児・介護休業のみならず、妊活や保活(お子さんを保育所に入れるための保護者活動)など様々なサポートのアイデアがあります。また、企業から従業員へのサポートの形も休暇のみならず金銭的な補助があったりと様々です。
■妊活・不妊治療費の補助「lily制度(働き方支援制度)」(株式会社ヤプリ)
スマートデバイスに特化したインターネット事業を提供する株式会社ヤプリでは、「lily制度(働き方支援制度)」を導入しています。
この制度は、従業員が「働くこと」を優先するあまり、人生における選択肢などを不必要に狭めることがないようにと設置されたもので、長期的に安心して働けるように支援する制度です。
従来の産休育休制度にプラスして保活サポートや妊活/不妊治療の支援などを含む従業員(やご家族)のライフイベントに合わせたサポート制度です。(1)結婚、(2)妊活・不妊治療費の補助、(3)妊娠~出産、(4)育児 の4つの項目に合わせて休暇の取得や費用補助が支給されるなど充実した取組みとなっています。
具体的には、妊活・不妊治療補助では、従業員1名あたり上限50万円までの負担がでたり、保活コンサル費用が全額補助されたりという内容のものもあります。
参考:株式会社ヤプリHP
■仕事と介護の両立支援(ソフトバンク株式会社)
通信・インターネット事業、AI関連会社を傘下におくソフトバンク株式会社では、仕事と介護の両立支援制度として、細やかな休暇や勤務措置などの制度があります。
介護のための休暇やフレックス勤務は勿論、家族の介護を行う正社員を対象に必要な要件を満たせば、新幹線などの特急列車通勤を許可する「常時介護者の新幹線(特急)通勤」などの制度もあります。
また、全従業員向けの介護に関するアンケートで「会社の制度や仕事と両立する方法が分からない」という声を受け、「仕事と介護の両立支援セミナー」を開催しています。
このセミナーは、介護に関する基礎知識を習得し、仕事と介護の両立を支援していくことを目的に開催しているもので従業員が働きながら介護に携わることができる環境づくりを推進しています。
このように同社では子育てなどに関する制度に加えて介護に関するサポートも充実させているといえます。
参考:ソフトバンク株式会社HP
■育児留学制度(旧育メン留学制度)(株式会社ナスタ)
ポストや宅配ボックス、室名札、サイン、消火器関連など、幅広い建築金物を扱う株式会社ナスタでは、「育児留学制度(旧育メン留学制度)」があります。
この制度は、配偶者の出産日から1ヶ月間の育児休業が取得できるというもの。一見普通の育休制度にも思えますが、この制度には
「家庭に留学して育児・家事の大切さを学ぶ留学制度」というコンセプトがあり、家庭での“学び”を得るという目的で制度化されました。
休業中の給与保証があり、2015年に導入後、男性社員の育休取得率100%を継続している制度です(2023年10月時点)。
休業を終えた社員からは「会社や支店のみんなには本当に感謝」「家事、食事を作る妻へ心から感謝」など家族や同僚に対する感謝の声があがるなど好評だそうです。
また、ミルクメーカーや抱っこ紐など社員の育児体験が基となり製品化された商品もあるそう。社員や社員のための制度が製品アイデアにもなったということで企業の発展にも役立てられている制度と言えます。
参考:株式会社ナスタHP
⑦「財産形成・退職後支援」の面白い取組み
ここでは、退職金や年金制度など社員が退職した後の支援についてご紹介します。
退職金制度などは企業へ応募する際に応募者から良く見られる項目の1つです。これら制度が設置されていることで「安定している会社」であることをアピールでき、優秀な人材確保の上で役立つ可能性が高いですし、少人数の中小企業でも導入し易いものも沢山あるので導入を検討するのも良いでしょう。


■企業型DC(企業型確定拠出年金制度)(スパイスファクトリー株式会社)
デジタル・トランスフォーメーションを⽀援するスパイスファクトリー株式会社では、2024年度に賃上げ施策の一部として企業型DC制度を導入しました。
企業型DCの導入や賃上げで、インフレ対策をすることにより社員が安心して働きがいを感じられる環境づくりをする目的などがあるようです。
また、制度の導入をきっかけに自身の資産形成を考え、社員の金融リテラシーの向上に繋げられることも狙いの1つとのこと。
NISAやiDeCo、保険など個人でできる資産形成もありますが、会社で導入することによりよりハードルも低くなるかもしれません。
また、同僚など会社の仲間で資産形成について会話する機会も増えてより金融リテラシーの向上に役立つでしょう。
大人数でないと導入できないイメージのある企業型DCですが、少人数企業でも導入できるものもあるので導入を検討してみるもの良いかもしれません。
■株式累積投資制度(るいとう)(LINEヤフー株式会社)
コミュニケーションアプリ提供などを行う日本最大級のテックカンパニーLINEヤフー株式会社では、正社員を対象に「株式累積投資制度」を導入しています。
この制度は、LINEヤフー株式会社の株式を毎月一定の金額を継続的に積み立てる形で買い付けるもの。
社員自身の積立金に加えて会社からの奨励金もあり長期的な資産形成の手段の1つとして。活用できます。
自身の会社の株式を購入することで、社員の士気も上がり業績の向上にも繋がりそうな制度ですね。
■出戻り手形制度(株式会社OKUTA)
新築・増改築リフォームの企画・設計・施工・アフター管理・不動産仲介などを手掛ける株式会社OKUTAでは、「出戻り手形制度」があります。
この制度は、「出戻り手形」を交付された社員が再入社(退職後2年以内)を希望した場合、退職前の役職・ポジションで復職できるというもの。
退職後に先輩や同期などとご飯を食べたきっかけで再入社したという事例もあるそうです。一度仕事を辞めても歓迎してもらえる風土に働きやすさを感じる社員の声もあるようです。
参考:株式会社OKUTA HP
⑧「働き方・職場環境」の面白い取組み
社員の働き方や職場環境を気遣うことで、従業員のストレス軽減や疲労回復に貢献でき、生産性を向上させられる可能性があります。
ここでは、働き方や環境に関する面白い取組みを紹介します。
■昇降デスクなどの導入(株式会社MIXI)
コミュニケーションサービスやゲームなどを手がけるインターネット企業の株式会社MIXIでは、執務室昇降式のデスクの完備とアーロンチェアを採用しています。
これら机と椅子を工夫することで、従業員が長時間のデスクワークでも疲れにくく、パフォーマンスを継続する目的があるそう。
昇降デスクや機能性の高い椅子などは費用は掛かりますが、従業員の身体的な負担が軽減され産性向上に役立ち、結果的に業績向上に繋げられる可能性もあります。特に長時間座っていることの多いエンジニアやデザイナーが多い企業では、導入を検討してみるのも良いかもしれません。
■どに~ちょ(Sansan株式会社)
名刺をはじめとするビジネス情報の一元管理クラウドサービスを提供するSansan株式会社では、平日と休日を月に4回まで振り替えて勤務できる「どにーちょ」という制度があります。
問合せや会議等のない休日の静かな環境で業務に集中し、作業効率を高められるようにとの趣旨で導入されたもの。
確かに、平日は打合せや問合せ対応、各所から掛かってくる電話で思うように計画していた作業が進まないこともあるので、作業に集中するのに役立ちそうです。
■おひるねスペース「GMO Siesta」(GMOインターネット株式会社)
インターネットインフラ事業とインターネット広告・メディア事業を展開するGMOインターネット株式会社では、従業員向けに「GMO Siesta」というおひるねスペースを設置しています。
業務の合間に少し頭を休めたいと思った際に12:00~20:00の間に予約制で利用できるスペースで、上限30分という範囲の中で利用できるもの。
お昼寝の疲労回復や頭をクリアにする効果で業務効率・生産性向上に繋がる目的だそうです。
適切な仮眠は注意力や創造性の向上に繋がるという研究などもあるので、企業としてお昼寝を推奨することで従業員のパフォーマンス向上に繋げられる可能性もあります。
⑨能力向上・スキルアップ


少数精鋭で運営している中小企業にとって従業員のスキルアップや能力向上は、業績向上に直接つながる課題と言えます。従業員1人1人の出来ることが多くなると、個人のみならず会社のチームや会社全体に好影響が波及していく可能性があります。
また、能力向上やスキルアップが臨めないとなると従業員の離職に繋がってしまうこともあるので、従業員が新たな能力を得られる手助けをする制度を設けることは重要です。
■リカレント休暇(株式会社ブックマークス)
大人の勉強をサポートするサービスを運営する株式会社ブックマークスには「リカレント休暇」という制度があります。
この制度は、最長6ヶ月間の長期休暇を取得できる制度で、社員のキャリアや生き方を見つめ直し「学び直し」の機会を得て、自己啓発や主体的な生涯形成の支援すること、組織の発展にもつながることを目的としています(※勤続3年以上の正社員が対象)。
社会人になると仕事を辞めて学ぶのにはなかなか勇気がいりますが、この制度であれば腰を据えて勉強した後、身に着けたスキルを活かす場所に戻れるという点で安心して休暇に入ることができます。
■SBI大学院大学企業派遣制度(SBIホールディングス株式会社)
金融サービス業や投資事業、資産運用事業、次世代事業などを展開するSBIホールディングスでは、グループ人材の育成を目的として文部科学省の認可を受けているSBI大学院大学への派遣制度があります。
経営・事業、論理的思考力を高めることで、広い視野を持てる人材育成を目指しています。通信制(オンライン)で働きながら学習がし易い点やMBA(経営管理修士)取得できる点でビジネスにも役立てられる制度となっています。
ちなみにSBI大学院大学は、SBIグループの社員以外の一般の方も入学できるので、興味があればだれでも入学を検討できます。
■Horizon(海外拠点への派遣制度)(クックパッド株式会社)
料理レシピ投稿・検索サービスの運営やその他料理に関する関連事業を展開するクックパッド株式会社には「Horizon」という海外派遣プログラム制度があります。
この制度は、新卒入社3年以内のエンジニアとデザイナーを対象にイギリスの拠点(グローバル本社)に6カ月間派遣されるというもの。派遣期間は、現地のチームに入り、世界中から集まるメンバーと働くことができます。
グローバルな環境へのチャレンジを通して、若手社員の成長の加速させる狙いとのこと。プログラム名の「Horizon」は、「新しい地平線に向かってほしい」という願いが込められているそうです。
海外拠点で現地の仕事に就けるというのは他では得られない貴重な経験となり、チャレンジする力などが身に付きそうです。
参考:クックパッド公式noto
⑩その他
その他の制度として、カテゴリー分けはしませんでしたがユニークな取組みをご紹介します。
会社の本業を活用した制度や共通の好みに関するものまで様々な制度があるので、自社でもなにかできることがないか考えてみることをオススメします。
■モバイル利用支援(LINEヤフーコミュニケーションズ株式会社)
LINEヤフーが展開するサービスの運営やカスタマーサポートなどを行うLINEヤフーコミュニケーションズには、「モバイル利用支援」の制度があります。
この制度は、希望した社員に対して「LINEMO」の利用費用の一部をキャッシュバックするものです。社員が自社のサービスを利用することで、自社サービスの理解を深めることを目的としています。
確かに自社サービスをプライベートでも利用することで、理解をより深めることができサービス運営に役立てることができそうです。
参考:LINEヤフーコミュニケーションズ株式会社 採用サイト
■カーブアウト制度(株式会社ガイアックス)
ソーシャルメディアの運用やシェアリングエコノミーなどに関連する事業を展開する株式会社ガイアックスには、「カーブアウト制度」があります。
この制度は、社内の全事業部に対して事業の法人化を認めるもので、事業を子会社化できた場合にはストックオプションを発行し、子会社の経営陣やメンバーに付与する内容です。
オプションの活用で、議決権の所有や第三者からの資金調達、報酬を配当か給与にするかなどの意思決定を事業部で行うことができます。
参考:株式会社ガイアックスHP
■猫同伴出勤(ファーレイ株式会社)
システム開発やインターネット広告などを行うファーレイ株式会社には「猫同伴出勤」という制度があります。
この制度は、文字通り猫を連れて会社に出社できるというもの。社内で猫と一緒にお鍋を食べたりというイベントもあるようです。その他猫にまつわる制度として「猫手当」というものもあり月に5,000円の支給制度もあるようです。
猫好きの方にはたまらない制度であると共に、社内でも「猫」という共通の話題でコミュニケーションが活性化されそうですね。
【中小企業向け】その他、サービスを活用した福利厚生の面白い取組み(アイデア)
事例では、中小企業のユニークな福利厚生制度を紹介してきました。
ここでは、従業員に喜ばれそうな福利厚生サービスを導入するとしたらどのようなサービスがあるのかを紹介していきたいと思います。
費用はかかりますが従業員満足度の向上や離職防止、採用時に応募者にアピールできる施策が多いので、導入を検討されると良いでしょう。
■従業員向けの保険
福利厚生として、会社で加入できる従業員向けの医療保険があるのをご存知でしょうか?
従業員が万が一、ガンなどの病気にかかってしまった時、仕事を休んで治療をしなければならなくなるという事があるかもしれません。
保険の中には、企業が従業員のために加入し、治療にかかった実額などを補償するものがあります。また、付帯サービスとしてセカンドオピニオンの手配や専門家の健康相談が受けられる相談サービスなどがついているものもあるので、企業で窓口を個別に用意する必要が無くなるというメリットもあります。
シニア層の従業員が多い中小企業もこのような補償を会社で用意してあげることで従業員も安心して働き続けることができます。
また、個人として保険に加入するよりも会社として加入する方が保険料が割安だったり、保険料は全額福利厚生費として損金算入ができる点などのメリットもあるのでチェックしてみるのもオススメです。
≪こんなお悩みを解決≫
✓企業として「健康経営」を推進したい!
✓従業員が病気になってしまった際の金銭的なサポートを用意してあげたい
✓従業員向けの健康相談などの窓口を用意してあげたい
■食べ物や飲み物など「物」の購入を助ける制度
事例でも紹介しましたが、オフィスに食事などの補助を設けるのも従業員が毎日気軽に利用できる点で喜ばれる福利厚生制度と言えます。
特にスペースや費用などの関係で食堂を用意できない企業様向けに専用の冷蔵庫などを設置するだけで、美味しいパンや健康的な野菜などの食べ物を業者が取り替えたりメンテナンスをしてくれるサービスもあります。
また、少し毛色は異なりますが、外部のカフェやコンビニで商品と交換できるデジタルギフトなどを従業員へ配布する福利厚生もあります。企業で設備などを導入するよりハードルが低いので、まずはなにか始めたいという企業様にとっては、導入し易いサービスと言えます。
このようなサービスを利用すれば、社内の人事や総務の負担をあまり増やさずに福利厚生施策を実施できる点でも魅力的と言えます。
≪こんなお悩みを解決≫
✓オフィス・工場に食べ物を用意してあげたい
✓仕事で利用するカフェなどの補助を出してあげたい
✓健康的な食事などを提供し、社員の健康をサポートしたい
✓自社での管理などに手間はできるだけかけたくない
■健康診断のDX化を推進する取組
毎年行う健康診断の結果を紙ではなくデータ化して管理できるものもあります。
従業員は専用アプリなどから結果を確認できるので、健康診断結果を無くしてしまったりすることも無くなります。
また、検診の結果を基に健康サポートを行えたりもするので、今まで健康診断を受けさせるところまでしか手が回っていなかったというような企業でも従業員のサポートを手厚くすることができるというメリットがあります。
≪こんなお悩みを解決≫
✓健康診断の結果を活かして、従業員へ適切な健康サポートをしてあげたい
✓健康経営を推進したい
✓紙での健康診断結果の管理で人事担当者の業務負荷が大きい
■ストレッチやリラックスなど従業員のリラックスを助ける制度
エンジニアや設計、その他の事務作業など、特に長いデスクワークなどをしなければならない環境の職場では、長時間座りっぱなしの姿勢で腰を痛めたり、肩こりに悩む従業員も多くなってきます。そのような従業員に健康を保ちながら高いパフォーマンスを発揮してもらうための福利厚生サービスもあります。
例えば、認定理学/作業療法士などが決められた曜日に会社を訪問し、会議室などでマッサージやストレッチの対応をしてくれるような訪問サービスなどがあります。会社で気軽に受けられるので、施術を受けやすいというメリットがあります。
他にも、オフィスを離れ自然の中で別荘などを借り、仕事をするという面白いサービスもあります。別荘は借りやすい仕組みになっているので、企業としてリラックスできる環境を提供したい場合にマッチするサービスです。
≪こんなお悩みを解決≫
✓エンジニアなどのパフォーマンス向上に貢献する福利厚生を選びたい
✓採用の差別化をしたい
✓長時間のデスクワークをする従業員が多く、健康を保って欲しい
現時点ではどうしても難しいけど福利厚生制度を導入したい中小企業向けの方法
ここまで福利厚生を中小企業が実施するメリットや取組事例等を解説してきましたが、スタートアップ企業や業績の関係で今すぐ独自の福利厚生の取組みを実施し始めるのが難しいという企業もあるでしょう。独自の取組みを行うことが最も効果的ではありますが、費用や従業員の人数、導入の手間の関係でどうしても直近で取組むことが難しい場合、市町村単位で設立されている「中小企業勤労者福祉サービスセンター」へ加入するというのも1つの方法です。
「中小企業勤労者福祉サービスセンター」へ企業が加入することで、従業員は掲載店舗のサービスを割引で購入できるようになるなどのメリットが受けられるようになります。
ただ、利用できるサービスの種類や量は、それほど多くなかったり他社と差別化をするのは難しいので、段階を経て独自の制度やサービスの導入をするのが良いでしょう。
まとめ(福利厚生の面白い取組みを導入するといいことがいっぱい!)


今回は、中小企業が他社と差別化し、従業員の離職率低下や採用強化に繋がる福利厚生の事例やアイデアを紹介しました。中小企業が福利厚生を工夫することで、従業員にとって魅力的な企業・働きやすい企業になることができます。また、自社の本業と関連する内容の福利厚生を制度化すると、その企業らしさを出すことができるでしょう。
1から企画を考えるのが難しい場合は、福利厚生サービスなどを活用して環境を整えてみるというのも1つの方法です。
少数精鋭の中小企業では特に従業員1人1人のパフォーマンスが重要となりますので、自社にあった効果的な福利厚生を実施することが重要となります。
福利厚生に関するサービスの相談も幅広く受け付けていますので、どのようなものがあるのか聞きたいと思った方はお気軽にご相談ください。